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Spring Summer 25

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菌類は地球の歴史が始まって以来8億年もの間、ひそやかに進化してきた。植物でも動物でもないこの謎めいた生物は、地球のさまざまな生態系に多大な影響を与えているにもかかわらず、いまだに謎に包まれたままである。

循環システムの中で生きる菌類は、自然の廃棄物を食べ、植物と共生関係を結んで、重要な栄養素や情報を交換する。
限られた資源を効率的に活用し、比類のない協力関係を築く彼らの存在は、ホリスティック・サイクルの可能性を体現している。

人間が加速度的に環境を悪化させる「人新世」の時代において、私たちは菌類の回復力から学ぶべきことが多い。
その特徴は産業廃棄物を再生し、他では不可能な様々な物質を代謝する能力にある。
マツタケ菌が広島の廃墟の中で最初に足場を取り戻した生物であることは、菌類の生態系への適応力を示している。

菌類のような微生物の社会は、集団の利益のために資源を交換することの利点を認識している。それらはほとんど目に見えないが、私たちの生活に多大な影響を及ぼしており、社会、経済、環境の分野で多方面にわたる知恵の源となりうる。

新たな循環システムの開発に向けて、菌類はその先駆けとなっている。
持続可能な地球の未来に必要な調和のとれた共存を体現しているのだ。